• 3月 8, 2024

フレイルとはなに?|症状と治療・予防方法について

フレイルとは、病気ではないけれど、年齢と共に筋力や心身の活力が低下し、医療や介護が必要になりやすい虚弱な状態のことをいいます。高齢者が身体的・精神的・社会的に衰えていく状態のことで、介護や医療の必要性が高まるリスクを示しています。予防や早期発見、適切な対策によって改善する可能性もあります。

それでは、フレイルの原因、診断方法、予防法などについてわかりやすく解説していきたいと思います。


フレイルの症状


健康と要介護の間の虚弱な状態で、主な症状としては、体重減少や疲労感、歩行速度低下、握力低下、身体活動の低下などが知られています。

フレイルの診断


以下の5つの項目で判断されます。

診断項目・体重減少:6カ月で2kg以上の(意図しない)体重減少
・筋力低下:握力:男性<28kg、女性<18kg
・疲労感:(ここ2週間)わけもなく疲れたような感じがする
・歩行速度:通常歩行速度<1.0m/秒
・身体活動
 1.軽い運動・体操をしていますか?
 2.定期的な運動・スポーツをしていますか?
 上記の2つのいずれも「週に1回もしていない」と回答

※改訂日本版フレイル基準(J-CHS基準)より

この5つの項目のうち、3つ以上当てはまる場合はフレイル、1~2つ当てはまる場合はフレイルの前段階であるプレフレイルと判断されます。

フレイルの原因


様々な要因が関係しており、以下のようなものが挙げられます。

主な原因・運動不足
筋肉が低下し、バランス感覚や反応速度が低下する可能性があります。

・栄養不足
タンパク質やビタミンなどの必須栄養素が不足し、免疫力や代謝が低下する可能性があります。

・慢性疾患
糖尿病や高血圧などの慢性疾患があると、血管や神経の機能が障害され、全身の血流や酸素供給が悪化する可能性があり、フレイルの要因となることがあります。

・薬剤作用
利尿剤や睡眠薬などの薬剤が、脱水や眠気などの副作用を引き起こすことがあり、フレイルの要因となることがあります。

・精神的ストレス
孤独感や不安感などの精神的ストレスがあると、ホルモンバランスや自律神経の働きが乱れ、心身の状態が悪化することがあります。

これらの要因が、相互に影響し合ってフレイルを引き起こします。

フレイルの治療・予防方法


主な治療方法・運動療法
筋力や体力を回復させるために有効な方法であり、個人の状況や体力、目標などに合わせて、運動を行います。また、定期的に行うことが大切とされています。

・栄養療法
必要な栄養素を摂取することで、筋肉や骨などの組織を良い状態に保ちます。 タンパク質やカルシウム、ビタミンDなど不足している栄養素を考え、食べ物や薬、サプリメントなどを計画的に摂取していきます。また栄養療法は、運動療法と併用することで相乗効果が期待できます。

・薬物療法
フレイルを直接的に治療する薬はなく、フレイルの原因となっている疾患(骨粗しょう症や貧血、甲状腺機能低下症など)の薬物療法を行います。

治療は、個人の状態や必要性に応じて選択されます。また早期に治療を開始することで効果が高まるため、自分だけで行うのではなく、早期に医師に相談し治療を開始することが大切です。

海老原おとなこどもクリニック 045-507-3083 ホームページ