• 3月 22, 2024

おたふくかぜの症状と治療方法

おたふくかぜは、主に子どもがかかりますが、大人になってからかかると重症化することがあります。原因や症状、予防法、治療法などについて、詳しく解説していきます。


おたふくかぜの症状


おたふくかぜは、ムンプスウイルスによって引き起こされる感染症で、主に耳の下にある耳下腺が腫れて痛むのが特徴です。子どもに多く見られますが、大人になってからかかることもあります。おたふくかぜは通常自然に治癒しますが、まれに難聴や不妊などの重大な合併症を引き起こすことがあります。そのため、予防接種や感染予防策を徹底することが重要です。

ムンプスウイルスに感染してから2~3週間ほどの潜伏期間を経て、おたふくかぜの症状が現れます。主な症状は以下のとおりです。

主な症状
  • 耳下腺の腫れと痛み:
    耳下腺は唾液を作る組織で、耳の前下方にあります。おたふくかぜでは、この耳下腺が両側または片側に腫れて痛みます。腫れると顔が丸くなり、おたふくさんのように見えることからこの名前がつきました。
  • 発熱:
    おたふくかぜでは37~40度程度の発熱が見られます。
  • 頭痛や倦怠感:
    発熱と同時に頭痛や倦怠感などの全身症状が出ることがあります。
  • 嚥下痛:
    喉や耳下腺周辺の組織が圧迫されることで、飲み込むときに喉が痛むことがあります。

おたふくかぜは一度感染すると免疫ができるため再発することはありません。約3割の人は無症候性感染という状態で、症状が出ないまま感染して免疫を獲得します。この場合でも、他の人に感染させる可能性があります。

おたふくかぜは通常自然に治癒しますが、髄膜炎、難聴、精巣炎、卵巣炎、膵炎などの合併症をきたすため可能性があるため注意が必要です。

おたふくかぜの原因


おたふくかぜの原因は、ムンプスウイルスというRNAウイルスです。飛沫感染と接触感染で広がります。

おたふくかぜの診断


一般的には、問診と身体診察で診断されることが多いですが、場合によっては血液検査や微生物検査などの検査が必要になることもあります。

おたふくかぜの治療


おたふくかぜに対して特効薬はありません。そのため、治療法は対症療法となります。

おたふくかぜの予防方法


おたふくかぜは、飛沫感染や接触感染で広がります。潜伏期間は2~3週間ほどで、発症後1~2週間で自然に治ることが多いです。しかし、治療法は対症療法のみで、有効な抗ウイルス薬はありません。そのため、おたふくかぜを予防するにはワクチン接種がもっとも効果的です 。

現在日本では、おたふくかぜのワクチンは任意接種となっており、接種率は30~40%程度となっています 。ワクチンは1歳以上の子どもに接種できます。ワクチン接種により90%以上の人で、抗体が有効なレベルになるといわれています。

おたふくかぜは子どもだけでなく大人もかかる可能性があります。また、一度かかっても再感染することもあります。おたふくかぜを予防するためには、ワクチン接種を受けることが大切です。

おたふくかぜに悩む方にとって、このブログが少しでも参考になれば幸いです。

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