- 11月 30, 2023
- 3月 4, 2024
子どもが急に腕を動かさなくなった|肘内障とは
子どもが急に腕を動かさなくなった|肘内障
「子どもの手や腕を急に引っ張った後に、元気がなくなり、腕を持って動かさなくなった」
「手を付いた後から肘を持ち、急に元気がなくなった」
そんなときは、『肘内障』かもしれません。
肘内障とは
肘内障とは、子どもの手や腕を急に引っ張ったときなどに肘の靭帯(輪状靭帯)から骨(橈骨頭)が外れかかり、腕がうまく動かせなくなる状態(亜脱臼)のことで、主に肘の靭帯(輪状靭帯)の発達が途中の、1歳から6歳のお子様に多く見られる病気です。
手や腕を急に引っ張ったり、遊んでいて手を付いて転倒した後などに、起こりやすいと言われています。
肘内障の症状
肘内障の症状は、腕を動かそうとすると痛みが出て、下に垂らしたまま動かさなくなります。
また手をついて転倒した後から手を痛がり、腕を持って元気がなくなるといったことが見られます。
肘内障の原因
肘内障の原因で特に多いのは、『手や腕を急に引っ張った』です。
遊んでいるときや手を繋いでいる際など、急に手や腕を引っ張った拍子に、肘の靭帯(輪状靭帯)が骨(橈骨頭)から外れかかってしまうというケースが多いです。
他にも、遊んでいて転倒して手を付いたときに外れてしまうといったケースや、乳児では寝返りを打った際に手を巻き込んでしまい起こるケースなどもあります。
肘内障の診断
肘内障の診断は、医師が受傷時の状況や、手や腕の動きや痛み、骨折の有無を確認して行います。
受傷時の状況や、症状から骨折の可能性が高い場合、レントゲン検査など画像検査をすることもありますが、必ずしも必要というわけではありません。
肘内障の治療方法
肘内障の治療は、医師が手で骨を元の位置に戻す徒手整復という方法で行います。
また中には、受診する前に自然と治っているケース(自然整復)もあります。
徒手整復方法には、『回内法』と『回外法』があります。
正常に整復ができると、「ポクッ」といったような、クリック感があります。
整復の際は、軽い痛みを伴うため、泣いてしまうお子様がほとんどです。
ですが、整復後は痛みがなくなり、腕を自由に動かせるようになることが多く、何事もなかったかのように遊びだすお子様もいらっしゃいます。
中には痛かったときの記憶もあるためか、整復されていてもしばらくは痛がったり、腕を動かさないお子様もいらっしゃいますが、時間の経過とともに徐々に動かすようになってきます。
整復され、骨と靭帯が正常な位置に戻っている確認として、動かさなかった腕で、バイバイとしたり、痛がっていた腕を使って自然と遊ぶようになったりします。
※整復は、医師が診察し、骨折がなく、肘内障と診断した上で行われます。そのため、肘内障が疑わしい場合には、ご自身で実施せず、必ず医療機関を受診するようにお願い致します。
再発の可能性
肘内障は年齢が進み、靭帯が発達していくことで、徐々に再発しにくくなっていきます。
しかし中には繰り返してしまうお子様もいるため、遊んでいるときなどに、腕を痛がったり、動かさなくなったりしていないか、様子を見てあげることが大切です。