• 2月 21, 2024
  • 3月 4, 2024

アデノウイルス|症状と治療方法

アデノウイルスは、空気中の飛沫や接触感染などにより伝播し、主に発熱や喉の痛みなどの風邪症状、嘔吐や下痢などの胃腸炎症状を引き起こします。また、眼の充血や目ヤニの症状(結膜炎)や泌尿器にも感染(膀胱炎)などを引き起こすこともあります。

アデノウイルスの感染は、一般的には軽度から中等度で、自然と治っていきますが、まれに重症化することもあります。免疫力が低下している人や高齢者、乳幼児などは、注意が必要です。

この記事では、アデノウイルスの症状や感染経路、お休み期間の必要性などに関してご紹介させて頂きます。


アデノウイルスとは


アデノウイルスは、風邪や胃腸炎などの感染症を引き起こすウイルスの一種で、一般的には軽度から中等度の症状を引き起こしますが、まれに重症化することもあります。
飛沫や接触感染などで人から人へ伝播します。比較的耐久性が高く、温度や乾燥にも強いため、長期間環境中に残ることができます。
特に冬から春にかけて流行することが多く、集団生活をしている人や免疫力が低下している人は感染しやすいです。感染しないように予防することが大切ですが、もし感染したら早期に対処することが重要です。

アデノウイルスの原因/感染経路


感染経路は主に以下の3つです。

主な感染経路 ・飛沫感染
咳やくしゃみなどで飛び散った唾液や鼻水などの飛沫(ひまつ)を吸い込んだり、目や鼻や口などの粘膜に付着させたりすることで感染します。

 ・接触感染
感染者の手や物品などに付着したウイルスを自分の手で触った後に目や鼻や口などの粘膜に触れることで感染します。

 ・糞口感染
感染者の便に含まれるウイルスを口に入れることで感染します。手洗いが不十分な場合や、食品や水が汚染されている場合などに起こりやすいです。


アデノウイルスは感染力が非常に強く、季節に関係なく一年中流行する可能性があります。
特に幼児期から小学生期にかけて感染者が多く、施設や学校、家庭で集団感染することもあります。
大人にも感染することがありますが、症状は軽いことが多いです。
症状が治った後も2週間~1ヶ月ほどウイルスを排出し続けることがあり、糞便などからの2次感染にも注意が必要です。

アデノウイルスの症状


代表的な症状は以下の通りです。

  • 鼻水
  • 鼻づまり
  • 喉の痛み
  • 発熱
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 腹痛
  • 目の充血

症状は、感染する部位によって様々です。

感染部位のよる症状 ・咽頭結膜熱(プール熱):高熱、のどの痛み、目の充血や目やになどが見られます。夏場にプールから感染することが多いため、プール熱と呼ばれます 。
 ・呼吸器感染症:鼻水、鼻づまり、咳などの風邪の症状が見られます。悪化すると気管支炎や肺炎を引き起こすことがあります。
 ・流行性角結膜炎(はやり目):目の充血や目ヤニ、涙などが見られます。感染力が非常に高く、学校や職場で流行することがあります。
 ・胃腸炎:腹痛、下痢、吐き気、嘔吐などが見られます。乳幼児に多く見られる症状です 。
 ・出血性膀胱炎:頻尿、血尿、排尿時の痛みなどが見られます。数日ほどで治まることが多いです 。

アデノウイルスの診断


診断は、診察と咽頭ぬぐい液検査で行われます。
上記の様な特徴的な症状や接触歴がないかなどを聞く事も重要です。
咽頭ぬぐい液検査では、綿棒で喉からぬぐい液を採取し、迅速抗原検査キットを使用し判定を行います。(15分程度の時間を要する)

アデノウイルスの治療


特効薬やワクチンはないため、脱水にならないように水分補給を行いながら、対症療法で体調が回復してくるのを待つことになります。
もし水分が摂取できなかったり、脱水症状が見られるようになってしまったら、医療機関での点滴が必要になることがあります。
また、周囲の人に感染を広げない予防も大切です。
手洗い・うがいなどの基本的な感染予防を徹底することや、タオルやコップなどの共有をしないようにしましょう。

アデノウイルスの予防方法


予防方法は主なものとしては基本的な感染予防対策になります。

予防方法 ・手洗い・うがいなど
 ・手指消毒剤の使用
 ・マスクの着用
 ・咳エチケット
 ・物品や環境の消毒
 ・免疫力の向上

※咳エチケット:感染症を他人に感染させないために、個人が咳・くしゃみをする際に、マスクやティッシュ・ハンカチ、袖を使って、口や鼻をおさえること

出席停止・お休み期間に関して


流行性角結膜炎と咽頭結膜熱の場合、学校や保育園は出席・登園停止になります。
大人の場合は、明確な出勤停止の決まりはありませんが、感染力が強いため、お休みすることが推奨されています。

出席・登園停止期間 ・流行性角結膜炎
学校や保育園の場合は、お休みが必要で、『医師から感染のおそれがないと認められるまで』は、出席停止となっています。
 ・咽頭結膜熱(プール熱)
発熱、咽頭炎、結膜炎などの症状が治まったあと2日を経過するまでお休みになります。目安としては、解熱してから2日間は休む必要があります。

アデノウイルスは多種多様な型を持つウイルスで、さまざまな症状を引き起こしたり、症状が長引く場合もあります。またお休みが必要となる場合もあるため体調不良で疑わしいなと思った場合には、すぐご相談頂けたらと思います。

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