• 3月 11, 2024

水疱瘡(水痘)と帯状疱疹の症状と治療方法

水疱瘡(水痘)と帯状疱疹は、同じウイルスによって引き起こされる感染症ですが、発症の仕方や治療法が異なります。水疱瘡(水痘)と帯状疱疹の違いや診断、治療法について解説します。


水疱瘡(水痘)とは


水疱瘡(水痘)は、水痘帯状疱疹ウイルスと呼ばれるヘルペスウイルスの一種に感染することで発症する感染症です。主に子どもが罹りますが、大人でも感染することがあります。
感染経路は、空気感染や接触感染です。発熱や全身の発疹などの症状が現れます。発疹は痒みを伴うことが多く、潰すと傷跡が残る可能性がありますが、自然経過では約2週間程度で治ります。
水疱瘡(水痘)が治った後もウイルスは体内に潜伏し続けるため、免疫力が低下したときに再活性化する可能性があります。その場合、帯状疱疹という別の感染症を引き起こします。

帯状疱疹とは


帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化して発症する感染症です。主に50歳以上の高齢者が罹りますが、若い人でも発症することがあります。
帯状疱疹は、体の一部分に赤い発疹や水ぶくれができることが特徴です。通常は、胸や腰などの体の片側に限られますが、顔や目などにも出ることがあります。
帯状疱疹の発生部位は神経の分布に沿っています。これは、水痘帯状疱疹ウイルスが神経節に潜伏しているためです。
帯状疱疹の最もつらい症状は、激しい神経痛です。神経節にあるウイルスが活動することで、神経を刺激し、激しい焼けるような痛みを引き起こします。この神経節は感覚神経の集合体であるため、触ったり動かしたりするだけでも痛みを感じることがあります。

水疱瘡(水痘)と帯状疱疹の診断


主に特徴的な皮膚の変化から行われます。しかし、他の皮膚の感染症やアレルギーなどと区別がつきにくい場合もあり、血液検査や細胞検査などを行って確定診断を行う場合もあります。

水疱瘡(水痘)と帯状疱疹の治療


水疱瘡(水痘)と帯状疱疹の治療は、抗ウイルス薬が中心となります。抗ウイルス薬は、ウイルスのDNA複製を阻害して、ウイルスの増殖を抑えます。 水疱瘡(水痘)の場合は、発症から24時間以内に抗ウイルス薬を服用することで、発疹の数や重篤な合併症の発生率を減らすことができます。

帯状疱疹の場合は、皮膚の異常が出現してから72時間以内に抗ウイルス薬を服用することで、急性期の皮膚の変化や激しい神経障害を軽減し、帯状疱疹後神経痛(皮膚が治っても患部に慢性的な神経性の激しい痛みが残ること)の発生率や重度度を減らすことができます。

抗ウイルス薬は、通常は飲み薬で処方されますが、重度の場合や免疫力が低下している場合は入院して点滴で投与されることもあります。痛みに対しては、鎮静剤や鎮痛剤などが処方されますが、十分な効果が得られない場合もあります。その場合は、ペインクリニックで専門的な治療を受ける必要があるかもしれません。

水疱瘡(水痘)と帯状疱疹の予防


水疱瘡(水痘)と帯状疱疹共にワクチン接種で感染発症を防ぐことができます。
日本では1歳から3歳までの間に2回接種することが推奨されています。帯状疱疹は50歳以上の人を対象に予防接種が可能です(免疫力が低下している方は18歳以上から接種可能です)。
日本では生ワクチンと不活化ワクチンの2種類があります。
生ワクチンは1回の接種で約6割の予防効果がありますが、免疫力が低下している人には接種できません。
不活化ワクチンは2回の接種で約9割の予防効果がありますが、費用が高くなります。

以上、水疱瘡(水痘)と帯状疱疹を簡単にご説明させて頂きました。水疱瘡(水痘)と帯状疱疹に悩む方にとって、このブログが少しでも参考になれば幸いです。

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