• 3月 18, 2024
  • 3月 16, 2024

手足口病とヘルパンギーナの症状と治療方法

手足口病とヘルパンギーナは、主に夏から秋にかけて流行するウイルス性の感染症で、発熱や口内の水疱などの症状が出ます。特に小さなお子さんがかかりやすく、親御さんは心配になるでしょう。

このブログでは、手足口病とヘルパンギーナの原因や予防法、治療法などについて解説していきます。

手足口病とヘルパンギーナは、予防と早期発見が大切です。お子さんの健康を守るためにも、日頃から体調管理に気を付けてください。

手足口病とヘルパンギーナの症状


手足口病とヘルパンギーナは、症状が似ているため、見分けるのが難しい場合があります。そこで、手足口病とヘルパンギーナの症状の特徴と違いについて、解説していきます。

手足口病とヘルパンギーナに共通する点は、以下のようなものです。

  • 未就学児の感染が多い
  • 熱が出ることがある
  • 2~4日前後の潜伏期間を経て発症する
  • 治癒後もしばらくウイルスを排出し続ける
  • 口の中に水ぶくれのような発疹ができる

一方、手足口病とヘルパンギーナを見分けるポイントは、発疹や発熱の程度です。
以下の表を参考にしてください。

手足口病ヘルパンギーナ
発疹口の中や手足などに水ぶくれ口の中に水ぶくれ
発熱37~38度程度39~40度程度

ただし、これらは一般的な傾向であり、個人差や重症度によって異なる場合もあります。また、両方の感染症を同時に併発することもあります。そのため、症状が見られたら、必ず医師の診察を受けて正確な診断を受けるようにしましょう。

手足口病とヘルパンギーナは、ほとんどの場合は軽い病気ですが、まれに重篤な合併症を引き起こすことがあります。手足口病の合併症としては、脳炎や髄膜炎、心筋炎、肺水腫などがあります。ヘルパンギーナの合併症としては、髄膜炎や心筋炎などがあります。これらの合併症は非常に危険なので、以下のような症状が見られた場合はすぐに医療機関に連絡しましょう

注意すべき症状
  • 意識障害やけいれん
  • 呼吸困難や呼吸停止
  • 脈拍異常や血圧低下
  • 顔色や手足の色が青くなる熱が高い場合は解熱剤を服用する

手足口病とヘルパンギーナの原因


手足口病とヘルパンギーナの原因は、どちらもエンテロウイルス属というウイルスの感染です。しかし、その中でも種類が異なります。

手足口病の主な原因ウイルスは、コクサッキーウイルスA16型とエンテロウイルス71型です。その他にもコクサッキーウイルスA6型やA10型などが関与することがあります 。

ヘルパンギーナの主な原因ウイルスは、コクサッキーウイルスA2型からA10型までのうちのいずれかです。特にA4型やA6型が多く見られます 。

手足口病とヘルパンギーナは、原因となるウイルスが異なるため、以下のような違いがあります。

手足口病とヘルパンギーナの異なる点
  • 感染しやすい年齢
    ▶ 手足口病は4歳以下が多く感染します。
    ▶ ヘルパンギーナは1歳代が最も多く感染します。
  • 流行する時期
    ▶ 手足口病は7~8月
    ▶ ヘルパンギーナは6~7月
  • 発疹
    ▶ 手足口病は水ぶくれのような発疹が口の中や手足などに出現します。
    ▶ ヘルパンギーナは水ぶくれのような発疹が口の中に出現します。
  • 発熱
    ▶ 手足口病は37~38度程度までしか上がらないことが多いです。
    ▶ ヘルパンギーナは39~40度程度まで上がることが多いです。

手足口病とヘルパンギーナの診断


手足口病とヘルパンギーナは、臨床診断によって判断されます。つまり、医師が患者の症状や経過を見て診断します。特別な検査は必要ありませんが、場合によっては血液検査やウイルス検査を行うこともあります。

手足口病とヘルパンギーナは、発疹の出方や発熱の有無で見分けることができます。発疹は、手足口病では水ぶくれのようなものが手や足にも出ますが、ヘルパンギーナでは口の中だけに出ます。発熱は、手足口病ではあまり高くならないことが多いですが、ヘルパンギーナでは高熱が出ることが多いです。

項目手足口病ヘルパンギーナ
発疹の部位口の中だけでなく、手や足、おしりなどにも出る口の中だけに出る
発熱の程度37~38度程度で高くならないことが多い39~40度程度で高くなることが多い
流行する時期7~8月がピーク6~7月がピーク
感染しやすい年齢4歳以下が多い4歳以下が多いが特に1歳代

手足口病とヘルパンギーナの治療


手足口病とヘルパンギーナは、ウイルス感染症なので、残念ながら、これらのウイルスに対する特効薬はありません。したがって、治療は対症療法となります。

発熱や頭痛などの不快な症状を和らげるために解熱剤や鎮痛剤を服用したり、水分補給や消化の良い食事を摂ったりすることです。
また、口内の水疱が潰れて潰瘍になった場合は、塩水でうがいをしたり、消毒液を塗ったりすることも効果的です。
ただし、自己判断で薬を使うのは危険なので、必ず医師の指示に従ってください。また、感染が広がらないように、熱が下がっても一週間程度は保育園や学校などに行かないようにしましょう。

手足口病とヘルパンギーナの治療
  • 熱が高い場合は解熱剤を服用する
  • 喉の痛みや発疹のかゆみがある場合は鎮痛剤やかゆみ止めを服用する
  • 水分補給をこまめに行う(冷たい飲み物やスープなどがおすすめ)
  • 消化の良い食事を摂る(喉にしみないものや栄養価の高いものなど)
  • 安静にする

手足口病とヘルパンギーナの予防方法


予防方法としては、以下のことを心がけましょう。

  • 手洗いうがいをこまめに行う
  • マスクを着用する
  • 手指消毒剤を使用する
  • 身の回りの物を清潔に保つ
  • 人混みを避ける

対処法としては、以下のことを行いましょう。

  • 安静にする
  • 水分補給をする
  • に刺激の少ない食事を摂る
  • 医師に相談して必要な薬を処方してもらう

手足口病とヘルパンギーナは、自然治癒することがほとんどですが、まれに重症の合併症を起こすことがあります。 以下のような症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。

注意が必要な状態
  • 40度以上の高熱
  • ぐったりしている
  • 意識障害
  • 尿が少ない・皮膚が乾燥しているなどの脱水症状
  • 息が荒い

手足口病とヘルパンギーナに悩む方にとって、このブログが少しでも参考になれば幸いです。

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