• 3月 9, 2024

高尿酸血症の症状と治療方法

高尿酸血症とは、血液中の尿酸が正常値よりも高くなる状態のことで、痛風や腎不全の原因になることがあります。高尿酸血症の原因や症状、治療法などについて、このブログで解説していきます。高尿酸血症に関心のある方や、自分や身近な人が高尿酸血症になってしまった方は、ぜひ参考にしてください。


高尿酸血症の症状


高尿酸血症自体に目立った症状がないため、長期間未治療が続くことにより、他の病気を併発し症状を自覚するようになります。その代表が痛風や腎結石、腎不全などです。

主な原因・痛風
尿酸が関節に結晶化して沈着し、激しい関節炎を起こす。特に足の親指や手関節、膝関節などに発生しやすい。

・腎結石
尿酸が腎臓に結晶化して沈着し、腎結石を形成する。尿管から排泄される時に腰部や下腹部に激しい痛みを伴う。

・腎不全
慢性的な高尿酸血症による。浮腫や貧血、高血圧などの症状が現れる。

高尿酸血症は、放置すれば重大な健康被害をもたらす可能性があります。自分の尿酸値を知り、適切な治療や予防を行うことが大切です。

高尿酸血症の原因


尿酸は、細胞の核を構成するプリン体という物質が分解されてできる老廃物です。通常は、腎臓や消化管などから排出されますが、尿酸の生成が過剰になったり、排出が不十分になったりすると、血液中に溜まってしまいます。

尿酸の生成が過剰になる原因としては、以下のようなものがあります。

尿酸生成が過剰な原因・高タンパク質や高プリン体の食事を摂る
・アルコールや甘い飲み物を多く飲む
・運動不足や肥満
・脱水や発熱
・高血圧や糖尿病などの代謝異常や癌などの疾患
・薬剤の影響(利尿剤やアスピリンなど)

尿酸の排出が低下する原因としては、以下のようなものがあります。

尿酸排出が低下の原因・腎機能の低下
・水分不足
・薬剤の影響

高尿酸血症は、自覚症状がないため、気づかれないまま放置されることもあります。しかし、放置すると重篤な合併症を招く恐れがあるため、定期的に血液検査を受けて尿酸値を確認することが必要です。また、食生活や生活習慣の改善、適切な薬物治療も大切です。

高尿酸血症の診断


高尿酸血症の診断は、血液検査で行われます。男女共に7.0mg/dL以上の場合、高尿酸血症と診断されます。

高尿酸血症の治療


高尿酸血症の治療は、尿酸産生抑制薬や尿酸排泄促進薬の内服や食事生活習慣の改善が必要になります。

食事生活習慣の改善には、以下のようなポイントがあります。
食事では、動物性蛋白質やビールなどのアルコールを控えることが重要です。尿酸の生成を促進するからです。一方で、野菜や果物などの植物性蛋白性や乳製品などは積極的に摂取しましょう。尿酸の排出を促進するからです。水分摂取も大切です。水分不足は尿酸濃度を上げる原因にもなります。

生活習慣では、適度な運動や睡眠を心がけましょう。運動は血液循環を良くし、尿酸の排出を助けます。睡眠は代謝を整える効果があります。しかし、過度な運動やストレスは逆効果です。筋肉から乳酸が出てきて、尿酸と競合して排出されにくくなります。ストレスも同様に代謝を乱します。

痛風発作を起こした事がある方


痛風発作を起こして初めて高尿酸血症と知る方、痛風発作を起こして初めて高尿酸血症を治療しておけば良かったと思う方、などなど、痛風発作後から高尿酸血症の治療を始める方が多いのではないでしょうか。
痛風発作時は、まずは鎮痛対応、痛みを取ることが最優先になります。鎮痛薬を内服し痛みが治るのを待ちます。痛風発作消失後から高尿酸血症に対する内服治療を開始していきます。
薬の内服で尿酸値はある程度コントロール出来ますが、根本的な治療は食事生活習慣の改善が重要なので、目標を立てて取り組んでいきましょう。

以上、簡単ではありますが、高尿酸血症と痛風について触れました。高尿酸血症に悩む方にとって、このブログが少しでも参考になれば幸いです。

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