- 1月 15, 2024
- 3月 4, 2024
急性胃腸炎ついて|『ロタウイルス』と『ノロウイルス』
急性胃腸炎とは、胃や腸の粘膜が炎症を起こすことで、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状を引き起こす病気です。原因は、ウイルスや細菌、寄生虫などの感染や、食物アレルギー、食中毒などがありますが、今回は、その中でも『ロタウイルス』と『ノロウイルス』について解説していきます。
目次
ロタウイルスとは
ロタウイルスとは、主に小児に感染するウイルスで、急性胃腸炎を引き起こす原因の一つです。ロタウイルスは感染力が強く、冬季から春にかけて流行します。
大人も感染することがありますが、何度も感染を経験しているため、症状は比較的軽い症状で済むことが多いです。しかし高齢者の場合、脱水になりやすいため注意が必要となります。
診断
流行状況や症状から診断はつきますが、必要であれば、便のロタウイルス抗原検査などを行い、確定診断を行います。
症状
ロタウイルスの症状は、感染後1~3日の潜伏期間の後発症し、症状は3~7日ほど続きます。
最も典型的な症状は、水のような下痢(水様便)です。
下痢とともに、発熱、嘔吐、腹痛、食欲不振などの症状が見られます。
感染経路
感染者の便や吐物などを処理した後、消毒や手洗いが不十分な状態で触れた場所を介し、手指から口へと感染します。
また汚染された食品や水などを介し、口からの感染によっても広がります。
予防方法
ロタウイルスに対する予防法としては、ワクチン接種が有効です。ワクチンは2種類あり、生後2ヶ月から6ヶ月までに2~3回経口投与することで約80%の予防効果が期待できます。また、手洗いや消毒などの衛生管理も感染拡大を防ぐために重要です。
ノロウイルスとは
ノロウイルスとは、急性胃腸炎の原因となるウィルスの一つで、食品や水、汚染された手や物などから体内に入ることで嘔吐や下痢、発熱などの消化器症状を引き起こします。
感染力が非常に強く、少量のウイルスでも発症する可能性があります。
診断
ノロウイルスの感染者は、通常、感染後24~48時間以内に嘔吐や下痢などの症状が出ます。これらの症状は、他の食中毒や胃腸炎と似ていますが、ノロウイルスの場合は、発熱や頭痛などの全身症状があまり見られません。
また、ノロウイルスの嘔吐物や下痢便は、水っぽくて無色透明であることが多く、このような特徴的な症状から、ノロウイルスの可能性が高いと判断されることが多いです。
症状
ノロウイルスの症状は、感染後12時間から48時間以内に出現し、通常2日から3日で治ります。しかし、重症化すると脱水症状や電解質の異常を起こすことがあります。特に、高齢者や乳幼児、基礎疾患のある人は注意が必要です。
感染経路
ノロウイルスは、食品や水、汚染された手や物に触れ、口からウイルスが体に入ることで感染します。
また、嘔吐物や便に含まれるウイルスが空気中に飛散することで感染することもあります。
飛沫感染することもあります。ノロウイルスは非常に感染力が強く、少量のウイルスでも発症する可能性があります。
ノロウイルスは、冬場に流行することが多いですが、一年中発生する可能性があります。
ノロウイルスによる食中毒や胃腸炎を防ぐためには、日頃から衛生管理と免疫力の向上に努めましょう。
急性胃腸炎(ロタウイルス・ノロウイルス)の治療
急性胃腸炎(ロタウイルス・ノロウイルス)の治療薬はなく、脱水にならないように予防することや、整腸剤の使用といった対症療法を行いながら、自然と治っていくのを待つことになります。
もし脱水を起こしてしまった場合には、医療機関での点滴による脱水の治療を行います。
脱水の症状と予防方法
ロタウイルスやノロウイルスの症状(下痢や嘔吐)の影響で、体内の水分やミネラル(電解質)が減少し、加えて食事も摂れないことから脱水を引き起こしてしまう可能性があります。
特に小児や高齢者では、脱水を起こす可能性が高いため、注意が必要です。
脱水症状は、重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
脱水予防の方法としては、こまめに水分やミネラルの補給を行うことが重要です。
市販の経口補水液やスポーツドリンクなどを少量ずつ頻回に飲ませることが効果的です。
また、食事は消化の良いものを少量ずつ摂るようにしましょう。
急性胃腸炎は、感染すると脱水を起こしてし、時には重症化してしまうかもしれない怖い病気です。
そのため、日頃から手洗いうがい等の衛生管理をしっかり行うと同時に、免疫力が下がらないように注意し、予防に努めるようことが大切です。